作品概要
《エレミヤ》は、画家のロレンツォ・モナコによって制作された作品。制作年は?年から1407年で、プライベート・コレクションに所蔵されている。

今作品では、グリーンのローブと白のショールを身に着けた預言者エレミヤの半身が、斜め左を向いている姿を描いている。右手には巻物、もしくは巻き旗の終わり側を持っており、そこには「主はこう仰せられる:異邦人のやり方で学ばず、異邦人への恐れである、天からのしるしを恐れないこと」という文字が刻まれている。今パネル画作品は近年発見されたものであり、その主題、大きさ、形状、そして逆方向に切れたアーチの中に預言者の半身がおさめられていることから、祭壇画の右側におさめられたピラスターであったことが見受けられる。これは、ウフィツィ美術館(アイゼンベルグ、1989年)に所蔵されている《聖母戴冠》と類似していることから疑いようもなく、祭壇画の土台部分、もしくは最上部のどちらかを構成していたとされる。ロレンツォ・モナコの作品として知られているその他すべてのピラスターパネル画には、人物の全身が描かれている。ロレンツォが、《エレミヤ》に似たズグラッフィート模様のついたスパンドレルの中に描かれた、女性の聖人の全身を描いた6つのパネル画は、フィエーゾレのサン・ドメニコ教会に所蔵されている、フラ・アンジェリコの祭壇画の一部として組み込まれている。しかし、これらのパネル画はいったいどこで描かれたのか、どこで《エレミヤ》と一緒にひとつの作品として構成されたのかは未だに不明である。
今作品は、ミクロス・ボスコヴィッツが個人的に提案(口頭伝達)して、ロレンツォ・モナコに帰属された。おそらくこの帰属は、フィレンツェのロレンツォ・メディチ図書館に所蔵されているCod.Cor.5とCod.Cor.7にある細密画と比較した際に、それらの多くが今作品と非常に類似した姿勢の半身の人物が描かれており、またあらゆる点でその丁寧な技巧、薄く白で下塗りされた上での鮮やかな色使い、そして堂々とした人物の姿勢が類似していることからその判断がされたとある。
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