カナの婚礼

題材について

《カナの婚礼》での水をワインに変えたのが、ヨハネによる福音書の中にある最初のキリストが起こした奇跡である。

福音書の記述ではキリストと彼の母、弟子たちはカナの街で開かれる結婚式に呼ばれた。そこでワインが足りなくなった時、キリストは水をワインに変えた。このことでキリストはみ栄えの始まりを示した。

カナの街の場所は聖書研究者や考古学者の間で、キリストについての討論テーマである。イスラエル北部やヨルダンの一部であるガリラヤの街が、いくつも候補に上がっている。

美術史上では《カナの婚礼》をテーマにした作品は数多くあり、作者の師匠ヴェロネーゼにも同タイトルの有名な油絵がある。

作者について

アントニオ・ヴァッシラッキは、パオロ・ヴェロネーゼの下で見習いをした後、ドメニコ・ティントレットの工房に所属することとなった。ドメニコは数多くの依頼を受けていたヤコポの息子である。1578年から1582年の間、ヴァッシラッキはヴェニスのドゥカーレ宮殿の大評議会の間の装飾を請け負った。ドメニコとヴァッシラッキは商人学校の宿の壁と天井の装飾をし、サンタ・カテリーナ教会に大きなキャンバス画を6枚、サン・ジョルジオ・マッジョーレ教会に3枚の絵を納めた。

収蔵について

プリンストン大学美術館は同大学の美術ギャラリーで、ニュージャージー州プリンストンにある。1882年に創設され、ギリシャ・ローマ時代から現代まで、9万２千の作品を収蔵する。地中海地域、西ヨーロッパ、中国、北南米からのコレクションが中心である。美術館は目的のために専念しており、それは大学の教育、研究、芸術・文学分野のサービス、例えば地域人々や世界中からの訪問者に役立つことなどである。