作品概要
《王座の聖母子像》は、画家のアントニオ・ヴァッシラッキによって制作された作品。制作年は?年から?年で、?に所蔵されている。

作品について
旗のための図案で、王座についた聖母子、両側に聖人(右側は聖ジェルジオ)、装飾的な線の角に使徒が一人ずつ見られる。このデッサンは古い画集にのりで貼られ、そのページには古いスタイルの数字8と9が見られる。この作品はヴァッシラッキの他のデッサンと特徴が似ており、ヴェロネーゼの影響が明らかである。
「玉座の聖母子」の図像は東ローマ帝国の時代(約5〜15世紀)に始まり、中世やルネッサンス時代には広く見られるようになった。大きな祭壇画によく使用され、フレスコ画や教会後陣のモザイクにもなる。中世になると、聖母マリアは玉座を支える天使や列になった聖人とともに描かれるようになった。またルネッサンス時代、特に盛期には「聖会話」として知られる構図で、聖人が打ち解けた様子で集まっている様子とともに描写された。
ヴァッシラッキについて
ヴァッシラッキは、パオロ・ヴェロネーゼの下で見習いをした後、ドメニコ・ティントレットの工房に所属することとなった。ドメニコは数多くの依頼を受けていたヤコポの息子である。1578年から1582年の間、ヴァッシラッキはヴェニスのドゥカーレ宮殿の大評議会の間の装飾を請け負った。ドメニコとヴァッシラッキは商人学校の宿の壁と天井の装飾をし、サンタ・カテリーナ教会に大きなキャンバス画を6枚、サン・ジョルジオ・マッジョーレ教会に3枚の絵を納めた。その後、すぐにペルージャからの委託を受けた。
1584年から『ヴェネチアの画家組合』のメンバー、1600年にはヴェネチアで活発な外国人のコミュニティ『ギリシャ人の聖ニコラ組合』のメンバーとして登録されている。1591年『商人組合』と契約を結び、ヴェネチアのサン・ジョバンニ・エレモシナリオ教会、サン・アンジェロ・ラファエレ 教会、サン・ザッカーリア教会などに作品を描いた。
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