習作（最後の晩餐）

題材について

この作品は、新約聖書の四つの福音書全てに記されている、エルサレム入城後の《最後の晩餐》をテーマとした習作である。

週初めのエルサレム入城後、様々な人に出会い、週末にキリスト、弟子たちはユダヤ人の長老と共に食事をする。キリストは裏切られ、逮捕、審議され、そして磔の刑に処された。この食事の間に鍵となる出来事には、キリストが出発するための弟子の準備、キリストへの差し迫る裏切りに関する予言、そして使徒ペトロによる来たるキリストの否定に関する予言がある。

芸術における「キリストの生涯」について

キリスト教芸術において、一連の物語としての《キリストの生涯》は、主イエスの地上での生涯で起こった出来事を語る様々な題材で構成されている。『栄光のキリスト（王座についた荘厳な姿で描かれる）』などと言った、物語性のない信仰対象として主の永遠の命を描いた他の多くの題材とは区別されている。しばしば一連の作品としてまとめられ、本のイラストや壁画まで様々な手法で創作される。そして物語の形をとるテーマのほとんどは、しばしば単独で作品のテーマとなることもある。

もっとも一般的には、キリストの誕生と子供時代、十字架への磔と復活へと至るキリストの受難をテーマにしてまとめられる。ほとんどは、このうちの一群のみを作品とするが、聖マリアの生涯と合わせる作品もある。キリストが師として活動していた頃（受難の前の日まで）をテーマとした作品は、中世では比較的少ない。ルネッサンス時代から、またプロテスタントのアートにおいては、テーマの数が増えた一方で、一連の絵画作品が珍しいものとなり、印刷物、特に本の挿画としては一般的なものとなった。

収蔵

Nationalmuseum（国立美術館）はスウェーデンのアートとデザインの美術館である。また、政府権威として、文化遺産を保存し、芸術活動、芸術への関心や知識を啓発する任務がある。コレクションには1500年から1900年の絵画、彫刻、素描や初期中世から現代までの応用美術、デザインや肖像画がある。