作品概要
《聖アガタの殉教》は、画家のアントニオ・ヴァッシラッキによって制作された作品。制作年は1580?年から1629?年で、オスロ国立美術館に所蔵されている。

題材
シチリアのアガタ、または聖アガタ(231-251)はキリスト教の聖人である。シチリア島のカタニアかパレルモに生まれ、251年頃に殉教した。聖マリアに伴う七人の聖女の一人とされ、ミサの正典に名前が記されている。
13世紀の聖人伝に聖アガタの記述がある。裕福な貴族出身の15歳のアガタは処女の誓願を立て、低い身分出身であり権力者であるローマ人からの求愛を断った。彼は権力者であるため、アガタに誓願を捨てさせ、結婚できると思っていた。
しかしアガタはしつこいプロポーズを断り続けたため、彼はアガタを捕らえ、裁判の前に連れ去ることとした。彼はアガタが拷問と死を前にした時求愛に折れると期待していたが、アガタは神への信心を強めたのみであった。彼女は涙を流し勇気を出すために祈り続けた。
再び、彼は彼女を脅し、最後には牢屋で拷問をした。彼女が受けた拷問の中には金道具で彼女の乳房を切断するものもあった。アガタはついに火あぶりの刑に処されることとなったが、伝説によると地震が彼女を救った。一方でアガタは牢屋に送られたが、使徒の聖ペトロが現れ、アガタの傷を癒したという。
おそらく251年頃、アガタは牢屋で亡くなったと伝えられる。
収蔵
オスロ国立美術館に収蔵されている。この美術館には美術、建築、工芸・装飾デザインの部門に分かれ、ノルウェーで最も広範囲にわたるコレクションがある。
作者
ヴァッシラッキは、1584年から『ヴェネチアの画家組合』のメンバー、1600年にはヴェネチアで活発な外国人のコミュニティ『ギリシャ人の聖ニコラ組合』のメンバーとして登録されている。1591年『商人組合』と契約を結び、ヴェネチアのサン・ジョバンニ・エレモシナリオ教会、サン・アンジェロ・ラファエレ 教会、サン・ザッカーリア教会などに作品を描いた。
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