作品概要
《バッカスの勝利》は、画家のアントニオ・ヴァッシラッキによって制作された作品。制作年は1600?年から1600?年で、ブダペスト美術館に所蔵されている。

題材
ローマ神話のバッカスは、ギリシャ神話のディオニューソスと同一視される。豊穣の神であり、また特にワインとエクスタシーの神としてよく知られる。ディオニューソスはインスピレーションを与え忘我の境地へ導く力があり、彼の信仰は芸術や文学に特別な意味を持つ。アテネでの悲劇と喜劇の上演は、ディオニューソスの祭りの一部であった。ローマ文学において、彼の性質はよく誤解されており、過度に単純化され、酒を飲む集まりで祈られる陽気なバッカスとして描写される。紀元前186年にはイタリアでバッカス祭が禁じられた。
ディオニューソスの従者には肥沃の精霊であるサテュロス、シーレーノスが含まれ、彼の儀式では男根が有名である。ディオニューソスは獣的な姿をとり、様々な動物と結び付けられる。彼の特徴としては、蔦の冠や松かさがついた杖テュルソス、二つの取っ手がついた大きな酒杯カンタロスが知られる。初期ギリシャ芸術では髭の男として描かれたが、のちに若く女性的に描写されるようになった。バッカス的な快楽が画家たちにテーマとしてよく好まれた。
収蔵
ブダペスト国立西洋美術館は、国内外の芸術作品をコレクションしている。様々な時代のヨーロッパの芸術品は10万点以上を数える。他にはエジプト、古代、古い時代の彫刻や巨匠の作品、近代作品やグラフィック作品を収集している。
作者
ヴァッシラッキは、1584年から『ヴェネチアの画家組合』のメンバー、1600年にはヴェネチアで活発な外国人のコミュニティ『ギリシャ人の聖ニコラ組合』のメンバーとして登録されている。1591年『商人組合』と契約を結び、ヴェネチアのサン・ジョバンニ・エレモシナリオ教会、サン・アンジェロ・ラファエレ 教会、サン・ザッカーリア教会などに作品を描いた。
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