作品概要
《円柱に縛られたキリスト》は、画家のアントニオ・ヴァッシラッキによって制作された作品。制作年は1594?年から1594?年で、?に所蔵されている。

題材について
《円柱に縛られたキリスト》のテーマは「キリストの鞭打ち」や「柱での鞭打ち刑」などとしても知られる。キリスト教芸術において頻繁に見られる主題で、キリストの受難や生涯の一場面として表現され、近代の新たに考えられている「十字架への道ゆき」では四番目にあたる。
15世紀になると、この題材は受難を描く連作の一部としてよりも、独立した作品として描かれるようになった。その中でも最も議論になる作品は、ウルビーノにあるピエロ・デッラ・フランチェスカ作の小さなパネル画である。その絵が明確に意味するところは、何世代にもわたって美術史学者たちは捉えることができない。
また「円柱に縛られたキリスト」または「杭に縛られたキリスト」といったテーマにより、キリストのみが円柱や杭に縛られているイメージが展開した。この題材は、バロック彫刻でも中でも人気があり、四つの福音書には載ってはいないものの、「迷宮のキリスト(ロシア正教会のイコン:神を冒涜した罪状で投獄され、ヴィア・ドロローサの一番目の停留地点でカルバリの磔を待っているキリストの姿)」の題材にも関連づけられる。
キリストが縛られる円柱や縄、鞭はアルマ・クリスティ(キリストの受難具、受難を象徴する道具)と呼ばれる。ローマのサンタ・プラッセーデ聖堂は、キリストが縛られた本物の円柱を所蔵すると主張している。
作者について
ヴァッシラッキは、1584年から『ヴェネチアの画家組合』のメンバー、1600年にはヴェネチアで活発な外国人のコミュニティ『ギリシャ人の聖ニコラ組合』のメンバーとして登録されている。1591年『商人組合』と契約を結び、ヴェネチアのサン・ジョバンニ・エレモシナリオ教会、サン・アンジェロ・ラファエレ 教会、サン・ザッカーリア教会などに作品を描いた。
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