最後の審判

主題

《最後の審判》は、ゾロアスター教やアブラハムの宗教（ユダヤ教、キリスト教、イスラム教）による世界と人類の終末論的世界観一つである。
キリスト教のいくつかの宗派では、キリストの再臨はあらゆる国における人々を神が復活を許す者と罰する者に最後の審判をくだすとしている。この考え方は全ての聖書正典、特にマタイによる福音書に見られる。キリスト教の未来派は全人類の復活とキリストの再臨の後に起こると信じており、一方、ヨハネの黙示録は実現したとする神学者たちは、すでに起こったことだと信じている。最後の審判は数多くの才能ある芸術家の創作されている。
元々、この題材はよく教会の西の壁に大きなスケールで描かれた。それは中世初期の教会ではこの絵画が推奨された。キリスト教徒たちを不道徳な行いや罪を犯さないように導くため、天国での喜びと地獄での苦しみの差を強調してみせる道具として使われたのだ。
この絵画は通常、後方の壁（西側の礼拝用）、もし空きがあれば、教会の前方（内陣の端）に据えられた。礼拝者たちがミサ中に祭壇の方を向いているためである。

作者

この作品の作者はこれまでティントレットと考えられてきたが、現在ではヴァッシラッキと推定されている。ヴァッシラッキは、1584年から『ヴェネチアの画家組合』のメンバー、1600年にはヴェネチアで活発な外国人のコミュニティ『ギリシャ人の聖ニコラ組合』のメンバーとして登録されている。1591年『商人組合』と契約を結び、ヴェネチアのサン・ジョバンニ・エレモシナリオ教会、サン・アンジェロ・ラファエレ 教会、サン・ザッカーリア教会などに作品を描いた。ペルージャのサン・ピエトロ教会はヴァッシラッキが描いた最大のキャンバス画があり、そのサイズは88平方メートルにも及ぶ。