作品概要
《正義と節制》は、画家のアントニオ・ヴァッシラッキによって制作された作品。制作年は?年から?年で、グリマーニ宮に所蔵されている。

作品
《正義と節制》は枢要徳(古代からのキリスト教神学における四つの徳)の二つを描いている。
主題
四つの枢要徳とはプラトーや古代からのキリスト教神学に認められてきた徳のことで、正義、節制、思慮、勇気のことをいう(下記参照)。また、キリスト教の芸術作品においては、この四つの徳が、寓話的な女性の姿で各々象徴するアイテムと共に表現される。この作品では剣と天秤を持つ『正義』と水がめを持つ『節制』が見られる。
正義、公正:最も広範で、最も重要な徳/剣、天秤、計器、冠。
節制、抑制:自制や慎重さ、欲望を抑えることの実践/車輪、手綱、野菜と魚、カップ、二つの水がめに入った水とワイン。
思慮、知恵:適切な時に適切な行動を取るように判断できる力/本、巻物、鏡、蛇に攻撃されている場合もある。
勇気、不屈:恐れや不安、脅しに立ち向かえる力/甲冑、棍棒、ライオン、シュロの葉、塔、壊れた円柱。
収蔵
グリマーニ宮は州立美術館の一つで、ヴェネチア・カステッロ地区のサンタ・マリア・フォルモサ広場の近くにある。建築、装飾、歴史の面でヴェネチアの街の中でも非常に特異な独自性がある宮殿である。
作者
ヴァッシラッキは、1584年から『ヴェネチアの画家組合』のメンバー、1600年にはヴェネチアで活発な外国人のコミュニティ『ギリシャ人の聖ニコラ組合』のメンバーとして登録されている。
1591年『商人組合』と契約を結び、ヴェネチアのサン・ジョバンニ・エレモシナリオ教会、サン・アンジェロ・ラファエレ 教会、サン・ザッカーリア教会などに作品を描いた。
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