作品概要
《カルロ・マルスッピーニの墓碑》は、画家のデジデーリオ・ダ・セッティニャーノによって制作された作品。制作年は1453年から1464年で、Kunsthistorisches美術館に所蔵されている。

ロッセリーノの右腕
政治家レオナルド・ブルーニの後任であり、 フィレンツェ共和国首相を務めたカルロ・マルスッピーニ(1453年死去)の墓碑は、ブルーニ記念碑と競うかのように向かい側に設置されている。
《カルロ・マルスッピーニの墓碑》は、デジデーリオがロッセリーノの右腕としてブルーニ記念碑製作に参加した際に設計したものとされる。
デジデーリオの並外れた彫刻技術
《カルロ・マルスッピーニの墓碑》は、建築物のディテールとは対照的に、装飾や人物に重点が置かれている。ブルーニ記念碑と同様、マルスッピーニがヒューマニストであったことを象徴する装飾が施されているが、ブルーニの記念碑がそれらの装飾が壮大さと記念碑性を象徴する印象を与えているのに対し、《マルスッピーニの墓碑》は豊かさと優雅さを象徴する印象を与える。それはデシデーリオの優れた彫刻技術によって大理石がまるで蝋のように透き通り美しく輝く雪花石膏彫刻のように仕上げられたことで可能となった。
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