作品概要
《マリエッタ・ストロッツィの肖像》は、画家のデジデーリオ・ダ・セッティニャーノによって制作された作品。制作年は1460年から1460?年で、ベルリン美術館に所蔵されている。

フィレンツェ貴族の最も美しい少女
この胸像は、1451年に亡くなった貴族ロレンツォ・ストロッツィの娘マリエッタ・ストロッツィであるといわれる。マリエッタはフィレンツェの貴族階級で最も美しい少女の一人であった。
フィレンツェ彫刻の傑作
他のいくつかの作品と同様に、この胸像もかつてはデジデーリオと同郷の彫刻家アントニオ・ロッセリーノへ帰属していた経緯を持つこの胸像は、ヴェロッキオ以前のフィレンツェ彫刻における女性肖像画のなかで最も重要な例として位置付けされている。
繊細な感性で克明に表現された細やかな線は、衣服の柔らかく膨らんだ袖から、顔や首の微妙な凹凸、とりわけ首もとに至っては子供特有の薄い皮下脂肪までもが感ぜられるかのような完璧さがみてとれる傑作だ。
また、ドレスや髪はミニマムな装飾に抑え、少女の血色のよい顔色、おっとりと微かに傾けられた気品漂う顔の角度、完璧に整った顔の自然な表情に委ねたことにより少女の初々しさがより一層引き立てられている。
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