作品概要
《神殿の庭》は、画家のパウル・クレーによって制作された作品。制作年は1920年から1920年で、メトロポリタン美術館に所蔵されている。

《神殿の庭》は、スイス出身の芸術家パウル・クレーによって1920年に制作された水彩画である。メトロポリタン美術館に所蔵されている。
さまざまな作風を用いた画家
パウル・クレーのように、気まぐれで遊び心に満ちた様々なスタイルを用い、主題、媒体をかわるがわる使い分けるような芸術家はまれである。クレーの多様な作品体系は、単一の芸術的運動、すなわち「派」に従って分類することはできない。1898年から1901年にかけて、クレーは最初にハインリッヒ・クニルとともにミュンヘンで学び、その後フランツ・フォン・シュトゥックの下で学んだ。その後クレーは彼の視覚的感覚を養うことになる海外旅行へと出かけた。1914年にアウグスト・マッケとともにチュニジアを訪れた後、彼は色に魅了されるようになった。このことは、クレーの成熟したスタイルにおいて支配的なものとなった。
チュニジアの色彩
本作《神殿の庭》は、1914年4月のチュニジア旅行の際にクレーが受けた鮮烈な印象を見事に描き出している。水彩の色彩は、晴れた日のステンドグラスの窓の輝きを描き出している。階段はさまざまな庭のパビリオンへのドアに通じており、ヤシの木は高い壁よりそびえ、ドーム型の塔があちこちに見えている。
クレーはときおりハサミを用いて作品を再構成することを好んだ。おそらくこの作品では、画面があまりにも対称的であるという考えから、3つのセクションに分割して中央のセクションを左に移動させた。
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