作品概要
《釣り人》は、画家のパウル・クレーによって制作された作品。制作年は1921年から1921年で、ニューヨーク近代美術館に所蔵されている。

《釣り人》は、スイス出身の芸術家パウル・クレーにより1921年に制作された作品である。ニューヨーク近代美術館に所蔵されている。
青い背景、細い線
スイス出身、ドイツ国籍を持つ画家、版画家であるパウル・クレーは、ドイツの美術学校であるバウハウスで教職についていた。クレーはこの作品を描いた当時、すでに画家としてある程度の成功を収めており、その作品は人々の関心を集めていた。彼はさまざまな技術や画材を試し、創造的な才能を伸ばし続けていた。
この作品は、ほとんど絶壁のような青い背景の前で桟橋に立っている孤独な人物あるいは釣り人を描いている。図は、画像全体をつなぐ細い線を使用して構成されている。
特徴
中央の人物の胴体を横切って曲がる腕から、釣り糸が現れている。線は下がり、重りの支えで所定の位置に保持されているように見える。
この人物の大きすぎる頭は謎めいている。いくつかの特徴が描かれているが、クレーは作品にサインや象形文字、そしてしばしばユーモアのセンスを取り入れることで有名であった。額には 「X」が描かれ、耳が意図的に反転している。
退廃芸術展に選ばれた作品
この作品の全体的な外観は、ほぼ子供の絵のような魅力を持っている。これはクレーのスタイルにおいてしばしば見られる側面であった。クレーは子供の描く絵のシンプルさに影響を受けたが、ナチスが軽蔑したのはこの子供のようなスタイルであった。1937年、この作品はナチスが退廃芸術展のために選んだ作品の1つとなった。
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