作品概要
《少年》は、画家のデジデーリオ・ダ・セッティニャーノによって制作された作品。制作年は1455年から1460年で、ナショナル・ギャラリー・オブ・アートに所蔵されている。

ダヴィンチが師と仰いだ驚異的な彫刻技術
代表的なフィレンツェルネッサンス彫刻として分類されている《少年》は、デジデーリオが史上最高の大理石彫刻家の1人であることが顕著に表れている作品だ。
ルネサンス期を代表する芸術家レオナルド・ダ・ヴィンチは、デジデーリオの微妙な陰影と精緻な彫刻技術から学んだと伝えられている。
鑿の魔術師
デシデーリオは、その鋭い観察眼と、完璧な鑿作業、慎重な削磨技術を用い、石から細い髪、層状の布、柔らかい肌を創り出した。
《少年》は一見したところ静止しているかのように見えるが、口の横に浮かぶ微かなくぼみと、わずかに角度のついた顔の位置がいまにも動き出そうな子どもを示唆している。
この胸像の元々の主題は幼児キリストであったのか、または製作過程で神聖な主題のイメージが湧いた可能性があることが光輪を支える柄を保持するために開けられた穴から推察されている。
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