作品概要
《笑う少年》は、画家のデジデーリオ・ダ・セッティニャーノによって制作された作品。制作年は1460年から1464年で、ウィーン美術史美術館に所蔵されている。

子供時代の本質を捉える作品
15世紀に作成された子供の胸像のうち、肖像画のように見えるものもあれば、間違いなく幼いキリストまたは聖ヨハネを表しているものもある。デジデーリオは大理石の胸像を少なくとも3点仕上げた。デジデーリオの有名な胸像である《笑う少年》は、光と動きの変調によって少年のリラックスした表情が描き出されている。
上顎に舌が立ち上がりかけている口元を巧みに描写することで、少年の自然な笑顔の瞬間を見事に捉えたこの作品は、子供の本質的な部分を捉えているといっても過言ではない。
芸術家たちをも魅了して止まない優れた描写力
デシデーリオは同世代の最高の芸術家が皆そうしたうように、ドナテロに倣い、子どもたちを神聖な彫刻の中心的な主題とすることを再発見した。
深遠でつかみどころのない雰囲気を醸し出す《笑う少年》は、現存するどの胸像よりも際立つ存在であり、また、レオナルドダヴィンチとその後3世紀に渡り芸術家たちが制作のお手本にしたと伝えられている。
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