作品概要
《ブロンズ燭台》は、画家のアンドレア・デル・ヴェロッキオによって制作された作品。制作年は1468年から1469年で、リークス美術館に所蔵されている。

作品の概要
《ブロンズの燭台》は、高さが151.5cm、重さが50.2kgのブロンズ製の燭台である。
本作の依頼者、カルロ・ディ・ニコラ・ディ・メッサー・デ・メディチは、ゴンファロニエーレ(ルネサンス期イタリアの政治的なリーダーとしての役職)として、フィレンツェでもっとも高い位に着いていた。彼は当時有名な彫刻家であったヴェロッキオに、ヴェネツィアとの戦争の終結を迎えた1468年の平和を記念して、本作《ブロンズの燭台》を制作するよう命じた。そして完成した《ブロンズの燭台》は、フィレンツェのシティホールに建てられることとなった。
作品の構成
燭台の下部、三角のベースのそれぞれの角を支えているのは、ライオンの爪の形をした3本の脚だ。ライオンの脚は、上に向かうにつれてS字の葉のモチーフに変化していく。燭台を支える柄は手すり子の形になっていて、蝋燭の受け皿に達するまでの間で続いている。柄は下から上まで花瓶をイメージして形作られている。
柄の一番下の部分は、美を引立てる丸いひだ飾りが縁取っている。ティーカップのような下半球の部分では、葉が上に向かっているデザインとなっており、カップの蓋のような上半球の部分では、葉が下向きに描かれている。さらにその上へ目線をやると、ロープが輪になったデザインが繋いで、そこから5枚の葉が芽吹いて上へ登ってゆくように見える。葉の上には環状の枠と、上に向かうにつれて幅広になる節が、丸ひだの飾りと共に配置されている。
再び紐が輪を描き、そこから5枚の葉の先端が生えはじめ、その内側からさらに背の高い葉が伸びてゆく。葉は先端に来ると輪郭が曖昧になり、卵型のフレームへと形を移行させていく。短い胴の部分には太い管が巻きつき、蝋燭を支える皿の下部には再び上へと伸びる葉があしらわれている。
三角のベース部分には、磨かれた背景部分から浮かび上がるように、イタリア語で「1468年5月と6月」と刻まれている。
こちらで、ぜひ本作品の感想やエピソードを教えてください。作品に関する質問もお気軽にどうぞ。