作品概要

ガニュメーデスの略奪》は、画家のジュリオ・カンパニョーラによって制作された作品。制作年は1510?年から1516?年で、大英博物館に所蔵されている。

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作品

ガニュメーデスを攫う鷲の姿をしたユピテルと風景を描いている。ギリシャ神話では、ガニュメーデス(日本ではガニメデとも言う)はトロイアの英雄である。古代ギリシャの詩人ホメロスはガニュメーデスが命あるものの中で一番美しいと描写し、神話のバージョンの一つでは、主神ゼウスがその美しさを見初め、オリンポスで酒杯を給仕する者にするため、鷲に姿を変えて攫ったとしている。

時代背景

アルカディア、理想的田園。自然と調和し、素朴さの中に生きる羊飼いたちが生きる詩的な地。それが初めてベネチア絵画において表現されたのは、16世紀初めの20年間のことだ。この時期、ベネチアの政治状況は緊張に満ちていたにも関わらず、その正反対の田園的情景は、人文主義の文化や書籍出版業界に平和な世界観をもたらした。

技法

カンパニョーラは、グラデーションをつけるため、スティップル法(点刻彫版法)を編み出した。彫刻では基本的に線描が使われるが、多数の細かい点や線を用いることで、滑らかなグラデーションをつけられるようになり、これにより以降の版画作成に非常に大きな発明となった。

作者

カンパニョーラは、ベネチアの画家、特にジョルジョーネが描いた風景に近いものを版画で表していたが、その作品は単に風景を思い起こさせるだけではない。様々な分野を学んだカンパニョーラは、細密画などの美術だけでなく、音楽(彼自身、リュート奏者で歌手であった)や、その時代の人文学的な考え方(文学、詩、ラテン語、ギリシャ語、ヘブライ語)にも精通していた。
生まれた地パドヴァや育った地ヴェニスで、ヒューマニストの集まりによく顔を出しており、積極的に人文学に関わり、アルカディア(理想的田園)というテーマは、他の芸術家たちが作り出したモチーフの真似や知識人たちに好まれるような見せかけであったと言うよりも、新しい何かを創作するベースであった。

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基本情報・編集情報

  • 画家ジュリオ・カンパニョーラ
  • 作品名ガニュメーデスの略奪
  • 英語名The rape of Ganymede
  • 分類絵画
  • 制作年1510?年 - 1516?年
  • 製作国イタリア
  • 所蔵大英博物館 (イギリス)
  • 種類版画
  • 高さ16.4cm
  • 横幅12.1cm
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