作品概要
《船乗りシンドバッド》は、画家のパウル・クレーによって制作された作品。制作年は1923年から1923年で、バーゼル美術館に所蔵されている。

《船乗りシンドバッド》は、スイス出身の芸術家パウル・クレーによって1923年に制作された作品である。
モチーフとなった物語
作品のタイトルである《船乗りシンドバッド》は、作品の参照点である物語の名を指している。シンドバッドは、アラビアの物語集成『千夜一夜物語』に登場する架空の人物の名である。
この作品は、シンドバッドの航海の1つを描いたものと考えられている。物語においてシンドバッドは貧しい人物であり、航海する機会を得るまで人生に退屈しているという設定である。
オペラからの影響
シンドバッドは七回の航海に出るが、これらの航海においては様々な冒険を経験することになる。海の怪物からの攻撃を受けてシンドバッドが戦うことになるのは3回目の航海における出来事である。本作は、その怪物とシンドバッドとの戦いの場面を描いている。この作品はおそらく、1923年のコミック幻想喜劇オペラ「船乗り」の戦闘シーンに基づいている。
抽象化されたシンボルの効果
クレーは無意識から生まれたシンボルを使用することで有名であり、それはこの作品においても例外ではない。本作は、ほとんど夢のような物語を描き出している。抽象化を使用することにより、クレーは血みどろの戦闘シーンを形にし、さらに遊び心を加えている。明るい色、暗い背景、珍しい幾何学模様は、絵画の中心人物を統合するために使用されている。 クレーは、背景で使用される不規則な長方形を「魔方陣」と呼んだ。
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