作品概要
《装飾文字O:栄光に満ちたキリスト》は、画家のロレンツォ・モナコによって制作された作品。制作年は?年から1396年で、ベルリン美術館に所蔵されている。

この作品は、イニシャルの「O」の中に栄光に満ちたキリストを描いたものである。この作品は合唱用の本(交唱聖歌集)にある絵で、ロレンツォ・モナコ自身が所属していたサンタ・マリア・デッリ・アンジェリ教会の男子修道会のために作成された。1396年に作成されたその一冊は現在はフィレンツェのロレンツォ・メディチ図書館に所蔵されている。この一冊はもともと9つの装飾文字の絵が含まれていたが、現在は2つしか残っていない。この本の中の7ページ中の5ページは特定されている。その他はロンドンの大英博物館、パリのルーヴル美術館、そしてバチカンのバチカン図書館に現在所蔵されている。1835年にカール・フェルディナンド・フリードリッヒ・ボン・ナグラー(役員であり外交官であったがプロセインの郵政公社総裁になった方)のコレクションからベルリン美術館に寄贈された。
ひとかたまりの雲の上に乗ったキリストの全身がモンドルラの中心立ち、4名のセラピムに付き添われている。彼は右手に王家の象徴となるつえを持ち、左手にはアルファとオメガのモノグラムが入った本を開いて持っている(モノグラムは逆向きになっていて、右ページにAが表示されている)。彼の後ろにあるマンドルラと雲からは金の光がほとばしっている。イニシャル「O」はフィリグリー(金銀線細工)の模様で装飾され、ダイアモンドの形をしたひし形のフリーズで囲まれている。葉形の飾りのついた縁にはグロテスクなマスクが3つと、植物の巻きひげから出た二匹の鳥の頭が描かれている。
このイニシャル「O」は キリスト昇天の祝祭日の二番目の晩課に向けたマニフィカートの交唱歌の始め、「「O Rex gloriae, Domine virtutum, qui triumphator hodie super omnes caelos acendisti(ああ、栄光の王よ、主である王よ、天国に向かって意気揚々と上昇するこの日よ。」である部分にあたる。
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