作品概要

ピュドナの戦い》は、画家のアンドレア・デル・ヴェロッキオによって制作された作品。制作年は1475年から1475年で、ジャックマール=アンドレ美術館に所蔵されている。

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作品の概要

《ピュドナの戦い》は、ヴェロッキオの工房で、所属していた複数名の画家によって制作された絵画。ルネサンス時代においては、工房の画家によって共作で絵画が作成されることは一般的であった。

本作では、ローマ帝国史の中で最も重要な戦いであり、ローマ帝国の地中海の覇権を守ることに成功した「ピュドナの戦い」の戦闘シーンが描かれている。

作品の表現

ヴェロッキオは、ピュドナの戦いのワンシーンを正確で芸術的に表現するために、一般的でありながら、複雑な技法を使用している。使われた画材はテンペラで、これは1475年頃、当時ルネサンス期のイタリアでは最も一般的な絵画様式であった。

題材となったピュドナの戦いは、第三次マケドニア戦争の最終結果を決する、大変重要な戦いであったため、ヴェロッキオは戦いの重要なシーンを全て描き出そうと力を注いだようだ。本作品では、二つの軍が戦っている様子が丁寧に描写されている。馬の配置は素晴らしく、兵士も丁寧に書き上げられている。ヴェロッキオは、高い描画技術でもって、あらゆるパーツを描き出している。その結果この絵画は、観る者の興味をそそり、魅了する作品となった。

作品とレオナルド・ダ・ヴィンチとの関わり

当時ヴェロッキオの工房に所属しており、最も才能があったとされるレオナルド・ダ・ヴィンチもこの作品の制作に参加していた。作品の中では、戦場の背景や、遠くから差すリアルな光、鮮明な風景などの部分が、ダ・ヴィンチが手がけた箇所であると考えられている。

ダ・ヴィンチが描いた伝説にして未完の壁画に《アンギアーリの戦い》があるが、若き日に制作に関わった《ピュドナの戦い》が、後の彼の絵画に影響を与えたのではないかと考えられている。《ピュドナの戦い》では、戦の状況は平面的な印象があるが、《アンギアーリの戦い》でダ・ヴィンチは立体感があり、奥行きの感じられる描写を実現させ、多くの画家に影響を与えたと考えられている。

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基本情報・編集情報

  • 画家アンドレア・デル・ヴェロッキオ
  • 作品名ピュドナの戦い
  • 英語名The Battle of Pydna
  • 分類絵画
  • 制作年1475年 - 1475年
  • 製作国イタリア
  • 所蔵ジャックマール=アンドレ美術館 (フランス)
  • 種類テンペラ画
  • 高さ51cm
  • 横幅159cm
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