作品概要
《バルトロメオ・コッレーニの騎馬像》は、画家のアンドレア・デル・ヴェロッキオによって制作された作品。制作年は1480年から1488年。

作品の概要
《バルトロメオ・コッレーニの騎馬像》は、アンドレア・デル・ヴェロッキオによって制作された、ルネサンス時代の彫刻。現在はヴェネツィアのサンティ・ジョヴァンニ・エ・パオロ広場に建てられている。像のモデルとなったのは、長年ベネツィア共和国に仕えた、バルトロメオ・コッレオーニである。像の高さは、台座をのぞいて395cmになる。
この像は、ドナテッロの《ガッタメラータの騎馬像》に次いで、イタリアルネサンス期の騎馬像の中では二番目に有名な作品である。
作品の制作過程
ヴェロッキオはドナテッロ作《ガッタメラータの騎馬像》や、ローマの《マルコ・アウレリオの騎馬像》、ヴェネツィアの《サン・マルコの馬》、パヴィアの《レジゾーレ》、フレスコ画ではパオロ・ウッチェロ作《サー・ジョン・ホークの葬祭の記念碑》、アンドレア・デル・カスターニョ作《ニッコロダトレンティーノの騎馬記念碑》などを元にして、像の制作を行った。
像の制作に当たってヴェロッキオが直面した一番の問題は、像をいかに安定させるかであった。馬が足を上げ、動いている瞬間を表現すると、3本の脚でブロンズの重さを支えなくてはならず、像の安定性に問題が生じてしまうためだ。ドナテッロの場合は、上げた脚を球体の上に乗せることで問題を部分的に解決していた。苦労したものの最終的にヴェロッキオは、三本脚の騎馬像を初めて成功させることとなる。
ドナテッロとの違い
作者のヴェロッキオは、モデルとなったコッレーニとは実際には会ったことがなかっただろうと考えられる。それはこの像が人物描写のための肖像ではなく、強くて冷酷な軍司令官が「巨人の力とエネルギーで爆発する」イメージを元にしているからだ。ヴェロッキオは動きと、緊張やエネルギーの感覚の表現に心血を注いでいた。
一方、ドナテッロの《ガッタメラータの騎馬像》では「冷静な指揮」の様が表現されていて、二つの有名な騎馬像は、鑑賞者にまったく違った印象を与えてくれる。
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