作品概要
《ダヴィデ像》は、画家のアンドレア・デル・ヴェロッキオによって制作された作品。制作年は1473?年から1475?年で、バルジェッロ美術館に所蔵されている。

作品の来歴
ヴェロッキオ作の《ダヴィデ像》は、ピエロ・デ・メディチの依頼によって1473–1475の間に制作されたと言われている。一方で本作の制作時期に関しては、イギリスの歴史家ハーバード・バターフィールドによると、使用されている様式や技術の観点から、1460年半ばの作品であるという見方も示されている。
また本作は、ヴェロッキオ初期のマスターピースの一つとして数えられている。
作品の展示
ヴェロッキオ作《ダヴィデ像》は、1476年にフィレンツェのシニョーリアによって、ピエロ・デ・メディチの相続人のロレンツォとギリアーノから購入され、ヴェッキオ宮殿に設置されていた。現在はフィレンツェのバルジェッロ美術館に収蔵されている。ロンドンのヴィクトリア&アルバート美術館では、本作の石膏模型を鑑賞することができる。
作品の印象
本作品では、殺されたゴリアテの頭の上で、意気揚々とポーズをとる若きイスラエル王ダヴィデを表現している。《ダヴィデ像》は様々な芸術家によって制作されているテーマであるが、特にフィレンツェでは街の象徴として重要な意味合いを持つ。
ヴェロッキオの《ダヴィデ像》は若い少年の姿で、控えめな服装をしていて、ドナテッロの作る挑発的な《ダヴィデ像》とは対照的な印象の作品となっている。また、本作のモデルには、ヴェロッキオの所属した工房では当時新人であり美男子であった、レオナルド・ダ・ヴィンチが起用されたのではないかと考えられている。
足元の頭像
ダヴィデの足元に配置されたゴリアテの頭像は、いつも美術史家の議論の対象となっている。《ダヴィデ像》がナショナルギャラリーで展示されていた時には、頭像はダヴィデの足の間に配置されていた。
しかし一部の美術史家は、作者のヴェロッキオは頭像が《ダヴィデ像》の右側に配置されることを意図していたはずだと主張しており、その結果ナショナルギャラリーや、アトランタのハイ美術館で展示された際には、頭像がダヴィデの右側に飾られたこともある。
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