作品概要
《タラティの多翼祭壇画》は、画家のピエトロ・ロレンツェッティによって制作された作品。制作年は?。

《タラティの多翼祭壇画》は、シエナ派の宗教画家ピエトロ・ロレンツェッティ(1280?-1348)制作の多翼祭壇画であり、イタリアのアレッツォのピエーヴェ・ディ・サンタ・マリア教会に奉られている。タラティとは、アレッツォの司教グイド・タラティのことを指しており、彼の依頼によって、《タラティの多翼祭壇画》が制作された。タラティは、予算を設定せず、ピエトロに金箔の背景に貴重な色合いで美しい人物を描くよう依頼した。
現在に至るまで、アレッツォの芸術作品の傑作のひとつであり、見る者に感銘を与え続けている。
《タラティの多翼祭壇画》は、聖母マリアに捧ぐ作品であり、キリストの母、つまり、人間性と神聖性という二つの性質と、人間と神の仲介者としての役割を祝している。この主題は14世紀の芸術作品で多用されている。
祭壇画の主となる下段には、聖母マリアと幼児キリストの描かれた中央パネル画を中心に、左翼パネルには福音書家聖ヨハネ、アレッツォの聖ドナトゥスが、右翼パネルには洗礼者聖ヨハネ、福音書家聖マタイがそれぞれ描かれている。他の聖人は、丸みのあるアーチに組み込まれた二重のマリオンと呼ばれる仕切りに縁取られている。
その上部には四つのマリオンが予言者の顔
聖母マリアと幼児キリストのパネル画上段には《受胎告知》の場面が描かれ、中央の小尖塔には、《聖母被昇天》の場面が描かれている。
四つの側部のパネル画には殉教した聖人が描かれている。堂々たる枠組みと、プレデュラと呼ばれる祭壇画の基底部を彩る多くの細やかで美しい装飾や、それを支える二つの支柱は現在は失われているが、この美しい祭壇画は今日まで同教会に奉られてきただけの十分な価値がある。
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