作品概要
《ヘラとカリストー》は、画家のドメニコ・カンパニョーラによって制作された作品。制作年は1540?年から1540?年で、National Galleries Scotlandに所蔵されている。

ローマ時代の作家オウィディウスの「変身物語」(転身物語)の中の「カリストーの生涯」のエピソードの1場面。
カリストーは美しい乙女で、月の女神アルテミス(ダイアナ)に純潔を誓いをたて、従者として仕えていた。ある日、大神ゼウス(ジュピター・ユピテル)がカリストーを見初め、恋に落ちる。しかし、カリストーは純潔を守る乙女である。そこで、ゼウスは一計を案じ、女神アルテミスに姿を変えて、カリストーに近づき、思いを遂げたのだった。その結果、カリストーは妊娠してしまう。やがて、それがアルテミスの知るところとなり、一団から追放された。
追放された後、カリストーはゼウスの息子のアルカスを出産する。ゼウスの正妻の女神ヘラ(ジュノー)がその事を知り、嫉妬深いヘラは、カリストーに罰を与えた。ヘラはカリストーの髪を掴み、地面にたたきつけ、「お前の美しさを滅ぼす」といい、カリストーを熊に変えたのだ。
ここに描かれているのは、ヘラがカリストーの髪をつかんでいる場面であり、カリストーの腕からは毛が生え、熊に変わりはじめている。
カリストーはアルテミスとヘラから仕打ちを受け、アルカスを失ったカリストーを憐れみ、のちに天に召し上げ、カリストーは星座(大熊座)になった。
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