作品概要
《聖家族》は、画家のドメニコ・カンパニョーラによって制作された作品。制作年は1545?年で、National Galleries Scotlandに所蔵されている。

小屋の外で過ごす聖家族
家畜小屋の外で幼いイエスに乳を飲ませている聖母マリア。傍らには座って本を読んでいるヨセフがいる。
家庭の温かみが描かれている作品だ。
3羽の鳥たちが今にも崩れそうな小屋の2階にいる。干し草の積まれたところを陣取ってせっせと動き回っている。ちょうど下にいるイエス・キリストとキリストの母マリア、父ヨセフの3人の聖家族が、自分たちのなすべきことに懸命に行っているのと同じように。
小屋のそばにいる力強い雄牛と小屋の中にいるロバは、聖書のキリスト生誕を主題とする絵画に一般的に描かれるモチーフだ。
キリストはベツレヘムの家畜小屋で生まれたとされる。
マリアが妊娠していた時期、故郷で住民登録しなければならないという勅令が出たため、マリアとヨセフは共に故郷ベツレヘムに行かなければならないことになった。到着した時、町はたくさんの人で賑わっており、宿が取れず、ようやく休めた所が家畜小屋だった。そこでマリアの陣痛が始まり、キリストが生まれたとされている。厩と表現される場合もあるが、馬だけではなく、他の動物もいたようだ。洞穴という記述もある。
全体的に上品でしっかりとしたタッチは、典型的なドメニコ・カンパニョーラの1540年代半ばの円熟したスタイルだ。
こちらで、ぜひ本作品の感想やエピソードを教えてください。作品に関する質問もお気軽にどうぞ。