作品概要
《恐怖の仮面》は、画家のパウル・クレーによって制作された作品。制作年は1932年から1932年で、ニューヨーク近代美術館に所蔵されている。

《恐怖の仮面》は、スイス出身の芸術家パウル・クレーによって1932年に制作された作品である。ニューヨーク近代美術館に所蔵されている。
さまざまな画家へ影響を与えた芸術家
20世紀後半の大部分において、画家や芸術運動はパウル・クレーの影響を受けたと言ってよい。バウハウス出身の名立たる芸術家のほとんどは、クレーから指導を受けた。スイス出身、ドイツ国籍を持つ画家、版画家であるクレーは、もともとドイツの表現主義のグループ、「青騎士」に属していた。その後、戦時期の影響力の大きいドイツの美術学校であるバウハウスで教鞭をとった。しかしながら、クレーの多様な作品体系は、単一の芸術的運動、すなわち「派」に従って分類することはできない。時には幻想的で子供っぽく、あるいは皮肉の効いた作品は、ニューヨーク派や他の20世紀の多くの芸術家たちにインスピレーションを与えた。
人を隠す仮面
この4つの小さな脚を持つ奇妙な生き物は、驚いたような目、奇抜なにやにや笑い、杖のような口ひげの顔を持っており、作品の厳しいタイトルに対して風刺的な要素を提供している。民族学博物館で見たズーニ戦争の神の彫刻に触発されて制作された本作は、ドイツでヒトラーが権力を掌握する直前、クレーが教授を務めていたデュッセルドルフのバウハウスを去った翌年に描かれた。2組の脚は、この記念碑的な仮面の後ろに2人の人物が隠れていることを示唆している。これは、「仮面は芸術を表し、その背後に人を隠す」というクレーの隠喩的表現に関連している。
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