作品概要
《ノア》は、画家のロレンツォ・モナコによって制作された作品。制作年は1408年から1410年で、メトロポリタン美術館に所蔵されている。

約1408〜1410年頃に製作されたロレンツォ・モナコによる《ノア》は、黄金の背景の木製パネルに描かれたテンペラ画である。フィレンツェの素晴らしい後期ゴシック画家であるロレンツォ・モナコの傑作だと言われている。ノアは、ノアの洪水以前の、10期目で最後の総主教である。
ノアは青のローブとオレンジのケープを纏い、左のももの上に契約の箱を載せ、真剣な眼差しで、彼が指で指している天界の方向を見つめている。このシンプルなジェスチャーにより、彼が傍観者に対し神の声に耳を傾けるよう促し、そうすることにより契約の箱が人類に保証したように、救済されることを保証している様を描いている。この作品上でノアは、「忠誠」のシンボルとして描かれており、またこの作品内で彼は、他の父祖達が顔しかめさせている、内的葛藤や強い感情等のものを表現する特徴はひとつもない。彼のジェスチャーは父親的な忠告のひとつであり、彼の冷静な眼差しは信念の証となる行為である。
ノアの箱舟の物語はコーランのヌーフと創世記で語られているものである。神が600年の年に、人類の邪悪に深く悲しみ、全人類を滅ぼす大洪水を起こしたが、神はノアに方舟を作り、生き残った人類を救うように命令をした。洪水の後、ノアはいけにえをささげ、神に洪水で地球の人類を二度と滅ぼさないよう約束させた。ノアは洪水の後350年後に950歳で亡くなった。
ニューヨークのメトロポリタン美術館には、旧約聖書の父祖を描いた4つのパネル画が所蔵されている。これらの作品は、描かれた時代においてフィレンツェの有数の巨匠であったロレンツォ・モナコの傑作にあたるものである。四人の父祖(エイブラハム、ノア、モーゼ、デイヴィット)はそれぞれ架空の大理石の高座の上にある、切石のベンチ、またはチェストの上に腰掛けている様子が絵が帰れている。そのベンチは前面に緑とピンクの一片が交互に走っているか(ノアとデイヴィット)、ヴァイオレットの一片が前面を走っているかである(エイブラハムとモーゼ)。
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