作品概要

ダビデ》は、画家のロレンツォ・モナコによって制作された作品。制作年は1408年から1410年で、メトロポリタン美術館に所蔵されている。

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ニューヨークのメトロポリタン美術館に旧約聖書の総主教を描いた4つの絵画があり、それらはこの作品を描いた当時、フィレンツェを代表する巨匠であったロレンツォ・モナコの素晴らしい作品の一部である。四人の総主教(アブラハム、ノア、モーゼ、ダビデ)はそれぞれ大理石の切石のベンチまたはチェストに座っている。石の色合いはノアとダビデは前面に一片の緑が走っており、アブラハムとモーゼのものは緑ベースの上に一片のすみれ色が走っている。《ダビデ》は他の3つの関連する作品とはコレクションされた歴史が異なることから、作品のすべての端が金で下塗りされていて、トリミングされている。

ここに描かれるダビデはサーモンピンクのラインが入った緑のクロークを、金の襟とカフスがついた青のローブの上に羽織っており、青い靴を履いている。前面にかかえ、左膝に乗せているリラを弾いている様子を描いている。

恍惚としているような、物憂げな今作品《ダビデ》にある表情と、《モーゼ》のキツさを感じるそれとを比較するとその違いは著しいものがある。王冠を頭に被り王の豪奢な衣服を纏っているが、その生地は地面まで垂れ下がっており、壮大さと威厳さを感じさせる。ダビデはプサルテリー(中世箱琴)を弾いており、詩篇を謳っている。彼は、夢見るように天界の方向を見つめており、インスピレーションの源となる神の声を聞いているようである。他の3名の預言者の作品にあるように、彼の決意に向けた真剣さは、その明瞭さ、力強さにより見る側を説得させ、伝えることに成功している。他3名と同様に、今作品の彼の様子はとても真剣で、際立つ生命力が感じられる。ロレンツォが、彼ら聖職者の正面性はなにも犠牲にはせず、このような様々な感情と人物の生命力を、宗教上の人物を描く上で表現できたことは驚くべき偉業である。          

これら4つの作品は祭壇画で隣接していたのではと議論がされている。

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基本情報・編集情報

  • 画家ロレンツォ・モナコ
  • 作品名ダビデ
  • 英語名David
  • 分類絵画
  • 制作年1408年 - 1410年
  • 製作国イタリア
  • 所蔵メトロポリタン美術館 (アメリカ)
  • 種類テンペラ画
  • 高さ57cmcm
  • 横幅43cmcm
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