作品概要
《装飾文字C:最後の審判》は、画家のロレンツォ・モナコによって制作された作品。制作年は1406年から1407年で、メトロポリタン美術館に所蔵されている。

ロレンツォ・メディチ図書館に所蔵されている交唱聖歌集のCod. Cor. 7には6つあるべきところ、3つの装飾文字作品が残っている。メトロポリタン美術館には、その他3つの家の1つが所蔵されている。それが失われたフォリオ124からの作品で、イニシャル「C」の中に最後の審判の様子が描かれている。
この細密画は、ロレンツォ・モナコにより、フィレンツェにあるサンタ・マリア・デッリ・アンジェリのカマルドリ会の女子修道院のために描かれ、交唱聖歌集(カトリックの主要な聖歌隊の本のひとつ)から削除されたものである。頭文字Cは、ローマカトリック教会で埋葬ミサの際に歌う儀式に向けた唱和の1つを紹介している。「Credo quod redemptor meus vivit, et novissimo die terra resurrecturus sum, et in carnee mea videbo Deum, Salvatorem meum (私は我が救い主が存在していることを信じていて、地球最後の日には彼が現世から蘇り、カルネで救世主である神を見るであろう。)」
青色ベースの頭文字は、帯状に連なる黄色と赤で覆われていて、黄色、オレンジ、緑の発葉で飾られていて、荒廃した岩石の多い風景の中で、青のクロークを纏ったキリストの半身が、光沢のある黄金の背景に描かれた横雲の上にあり、宙に浮いている。キリストは判断を下すように右手を挙げていて、左手で下方を指し、(現在は失われているが)この次に続く頭文字のある右側に目線を向けている。文字を縁取る赤い帯状のもので切り取られているが、左側には青のチュニックを纏った天使が長い黄金のトランペットを鳴らしている様子が描かれている。下部には蘇った四人の死者が、亀裂の入った不毛の地にある穴から姿を見せている。
このとても小さなスペースの中に、ロレンツォは「最後の審判」としてのテーマに伝統的に必要である基本的な要素を、あくまでも少しだけしか留めていない。天使が最後を告げるために吹いているトランペットにより、地面から死人が蘇っている。彼らの頭上には、キリストが天国の方向を指し示しており、彼の胸と左手は情熱の傷を見せるようにしている。
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