作品概要
《キリストの降誕》は、画家のロレンツォ・モナコによって制作された作品。制作年は1406年から1410年で、ウフィツィ美術館に所蔵されている。

15世紀初期、フィレンツェの一流の画家であったロレンツォ・モナコ(イタリア語で「修道士ロレンツォ」)の本名はピエトロ・ディ・ジョヴァンニ(1372年にイタリアで生まれ、1424年フィレンツェで亡くなる)は彩飾写本、フレスコ画、またパネル画の画家として活動していた。彼は現在のイタリアの後期ゴシック絵画の素晴らしい主導者であった。彼の作品と様式的関心(ビザンチン絵画の典型である金箔を使用した背景の取り入れ)はフィレンツェ絵画の金の背景の輝きを表現することに成功している。また、彼は国際ゴシック様式の主導者であり、彼のスタイルは明るい色使い、優美でリズミカルで流れるような線で特徴づけられる。
この作品は聖母戴冠のパネル画のプレデッラの一部である。このプレデッラに描かれたシーンは、細長いフランスのゴシック様式である四弁模様の細長い額が使用されている。ロレンツォが描いたキリスト降誕のシーンは、14世紀のスウェーデンの姫であり、その後聖人となったブリジットの文書にある内容の一部に沿ったものである。ロレンツォのキリスト降誕の作品の主要な要素は彼女の視点から来ていて、15世紀のフィレンツェで有名になった新しいバージョンのキリスト降誕である、《キリストの子供への礼拝》に関連している。
この非常に美しく描かれた《キリストの降誕》は、構成要素が鮮やかに、四葉飾りのある地に合わされていて、鮮やかで繊細な色のハーモニーは写本の画家としての彼の技術を反映している。ロレンツォの描いたシーンでは、マリアは彼女の産まれたばかりの子供を崇拝するように膝をついている。彼女の周りは黄金の光で覆われていて、外は暗い夜の様子で、天使がシェパード達を起こしている。特に注目すべき点は、これが夜間の設定であり、幼児キリストと天使から超自然的に漏れる光で覆われているところである。
この板絵はプレデラの一部を形成していて、聖母のエリザベト訪問、東方三博士の礼拝、エジプトへの逃避を含み、これらはロレンツォ・モナコの受胎告知の祭壇画(フィレンツェのアカデミア美術館に所蔵)から来ていると言われている。
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