作品概要
《受胎告知と4聖人》は、画家のロレンツォ・モナコによって制作された作品。制作年は1408年から1418年で、アカデミア美術館に所蔵されている。

《受胎告知と4聖人》はイタリアの後期ゴシック画家であるロレンツォ・モナコによりパネルにテンペラ画で絵が書かれた作品で、現在はイタリアのフィレンツェのアカデミア美術館に所蔵されている。
歴史
この3連の祭壇画は、フィレンツェにあるサン・プロコロ教会により依頼を受けたものであり、ルネッサンスの美術史家であるジョルジョ・ヴァザーリが確認したが、ジョットに帰した。この作品は1864年にジョヴァンニ・バッティスタ・カヴァルカゼルにより、ロレンツォ・モナコによる作品だと認識された。1408年から1418年の間の様々な期間で作成日が設定されている。この作品はもともと異なったカスプ状の先端部分(おそらく預言者の頭の数と一緒に)とプラデラがあったが、現在は失われている。
詳細
カスプ状の先端部分が上部にある2つのパネルに、2つの構成でできている。それぞれは黄金の背景を共有している。中央部の構成としては、右側には聖母子が描かれていて、衣服の下に少しだけ司教座が見えている。左側には空中を飛んでいる受胎告知のシーンが描かれている。彼女の後方部には二重の縦仕切り窓を持つ家の一部が見えていて、頭部の隣には精霊の鳩が描かれている。
この受胎告知のシーンでガブリエルの飛んでいる姿が描かれている。天使が飛ぶ姿はフィレンツェの絵画ではよく描かれる。なぜならガブリエルが飛ぶ姿は、この街にあるテーマの表現として最も重要なものである。なぜなら、サンティッシマ・アンヌンツィアータ教会の上品なトレチェントのフレスコ画にある飛んでいるガブリエルの頭は天使により描かれていると信じられているからである。この種類の表現方法はこれによりフィレンツェでスタンダードとなったのである。
聖カタリナと大アントニオスと聖プロクロスとアッシジのフランチェスコと受胎告知を描いたこの作品には国際ゴシック様式であることがよくわかる。カーテンは複雑なアラビア風を象徴していて、おそらくゲラルド・スタルニーナやロレンツォ・ギベルティが始めた国際ゴシック様式の影響を受けている。
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