作品概要
《シルウェステル1世の人生(ドラゴンを退治した聖シルウェステル)》は、画家のマーゾ・ディ・バンコによって制作された作品。制作年はc. 1335年からc. 1335年で、サンタ・クローチェ聖堂に所蔵されている。

フィレンツェのマーゾ・ディ・バンコ
マーゾ・ディ・バンコは、イタリア人画家として14世紀に活躍し、主にイタリアフィレンツェを中心に活動した。彼はまた、同じイタリアフィレンツェ出身でありこの地で活躍した世界的に有名な画家・建築家のジオットの弟子としても知られている。中でも教皇を描いた作品は、彼の代表作ともいえるであろう。
314年から335年までローマカトリックの教皇として活躍したシルウェステル1世(ローマ教皇)は、33人目のローマ教皇であった。彼については残念ながらあまり知られていないが、バンコが描いた絵の中では、彼の活躍する様子が描かれている。
《シルウェステル1世の人生》を通して見るバンコの絵の特徴
5つのシーンに分けて描かれてるこちらのシリーズの中でも良く知られているのは、教皇がドラゴンを退治する姿が描かれている伝説のワンシーンである。《シルウェステル1世の人生(ドラゴンを退治した聖シルウェステル)》というこちらの絵は、現在も聖堂に他の絵と共に飾られている。
当時壁画などに良く使われていたフレスコを用いて描かれている彼の代表作は、サンタ・クローチェ聖堂に飾られている。この絵の独特な構成や色遣いの美しさが高く評価されている。バンコが1335年代に描いたこちらの絵は、師匠であるジオットからの教えを上手に取り入れつつ、オリジナリティーも見られる事から非常に高い評価を受けている。
今も輝くバンコの名画
バンコの教皇の絵が飾られているサンタ・クローチェ聖堂のチャペルには、他にも彼の描いた作品がいくつか飾られている。絵は建物の造りに合う様描かれており、それがさらにこの絵の魅力を引き立たせている。上品な雰囲気が高い評判を集めているバンコの作品は、ルネッサンス期のフィレンツェ派の影響を強く感じさせる。
フィレンツェに今もあるサンタ・クローチェ聖堂には、世界中から観光客が訪れている。バンコの師匠であるジオットの作品も多く飾られていることから、彼の作品に興味がある方なども多くサンタ・クローチェ聖堂を訪ねて来るのであろう。
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