作品概要
《希望をなくして》は、画家のフリーダ・カーロによって制作された作品。制作年は1945年から1945年で、個人に所蔵されている。

メキシコの有名な女流画家
フリーダ・カーロは18歳のとき、乗っていたバスと路面電車の衝突事故で重傷を負い、痛みと戦う病院生活の中で絵を描き始めた。その後著名な壁画家であったディエゴ・リベラと出会って結婚するも、三度の流産を経て1939年11月に離婚する。しかし彼らは1940年12月に再婚した。
1940年代、フリーダが有名になるのと同時に、健康状態は徐々に悪化していき、入退院を繰り返すようになった。
健康状態が悪化した年に描かれた作品
この作品は、1945年、フリーダ・カーロが医者のもとでの養生を余儀なくされた年に描かれた。この絵の後ろに、カーロは次のような説明文を書いている。
「私には少なくとも希望は残っていない…….すべてが腹の中に含まれているものと時間の経過とともに移動する 」
その当時、フリーダ・カーロは多くの手術と病気のために食欲不振に苦しんでいた。彼女はとても痩せ、栄養失調になった。
希望のない「強制摂食」
彼女の医者であったエレッサー博士は、完全な安静と二時間ごとの流動食で強制的に太らせる食事療法を行った。この作品の中で、カーロはこの「強制摂食」においてどんなことを経験したかを描写している。動物や骸骨のついた嫌な食べ物は、絵を描くためにキャンバスを保持するイーゼルによって支えられている。彼女の両腕はその下に固定されているようで、この状況に対してなすすべもない。太陽と月がある背景は、メキシコの砂漠である。タイトル通り、希望はどこにも見えない。
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