猿のいる自画像（1938）

《猿のいる自画像（1938）》は、メキシコの女性画家フリーダ・カーロによって1938年に制作された作品である。オールブライト=ノックス美術館に所蔵されている。

猿と一緒にいる自画像

カーロは制作した自画像の多くにおいて、猿、犬、オウムなどの動物とともに描かれている。それらはすべて、彼女自身がペットとして飼っていたものである。この作品は、そのような動物と一緒に描かれた自画像のうちの1つである。

猿は、メキシコ神話における欲望の象徴である。 しかしこの作品の中で、それは彼自身の魂を持つ生き物として描かれている。彼は優しくフリーダの首に腕をかける。まるで彼女を守りたいと思っているようである。この自画像や、後に描いた他のいくつかの肖像画でも、フリーダは大きな葉のカーテンを背景として使っていた。このような背景とともに、絵画の主題は鑑賞者の方へと押し出されている。この様式は、メキシコの画家アルフレド・ラモス・マルティネスから借りたものである。

ニューヨーク近代美術館館長の依頼

この絵は、当時ニューヨーク近代美術館の館長だったアンソン・グッドイヤーによって依頼された。 1938年の10月にジュリアン・レヴィのギャラリーで彼女の展覧会を見てから、彼はフリーダの作品に魅了された。彼は当初、別の絵画《フラン・チャンと私》を購入するつもりだったが、フリーダはそれを友人に贈っていたため、この作品を描いた。