作品概要
《春(連作・四季より)》は、画家のジュゼッペ・アルチンボルドによって制作された作品。制作年は1563年で、王立サン・フェルナンド美術アカデミー美術館に所蔵されている。

《四季》は4つの作品からなる連作であり、アルチンボルドの作品の中でも最もよく知られているものである。この連作は、人類と自然との間の密接な関係を強調する、マニエリスムの持つ特徴を代表するものとして見ることができる。それぞれの肖像画は季節のひとつを表しており、その特定の時期を特徴付けるオブジェクトで構成されている。
四季の構成
春は笑顔の若い女性であり、その顔は、ユリの芽(鼻)、チューリップ(耳)、ピンクと白の花で構成されている。彼女の髪は色とりどりの花でできているのに対し、ドレスは緑の植物と白い花の襟でできている。
夏は季節的な果物と野菜で構成され、その明るい色は暗い背景に対して際立っている。夏の微笑みは、日光の季節の暖かな慈愛により鑑賞者を安心させる。
秋は、体が壊れた樽で、顔はナシ(鼻)、リンゴ(頬)、ザクロ(あご)、キノコ(耳)で構成され、すべてがはちきれんばかりに熟している。秋は季節の肥沃さを示し、はみ出た舌は、これら熟した果実に対する画家の期待を表している。
冬はわらに包まれた老人である。彼は老木の切り株で構成されている。分裂した枝と傷のある樹皮、および口の腫れたキノコを特徴としている。
皇帝の依頼による作品
《冬》と《夏》のみが元の連作として生き残っている一方で、アルチンボルド後援者である皇帝マクシミリアン二世は本作を非常に気に入り、ザクセン選帝侯アウグストのための贈り物として1573年に再び同じものを依頼した。完全な状態で残っているのはこの二番目に制作されたものである。さらなる感謝として、皇帝は1571年にアルチンボルドが主催する祭りに参加した。そこで彼と家臣たちは、季節の要素の扮装をした。
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