作品概要
《通りの風景》は、画家のジョージ・グロスによって制作された作品。制作年は1922年から1924年で、オルブライト=ノックス美術館に所蔵されている。

《通りの風景》はドイツの画家ジョージ・グロスによって1922-1924年に制作されたリトグラフである。オルブライト=ノックス美術館に所蔵されている。
ベルリン・ダダ
ダダイズムは、1910年代半ばに起こった芸術思想・芸術運動のことである。第一次世界大戦に対する抵抗やそれによってもたらされた虚無を根底に持っており、既成の秩序や常識に対する、否定、攻撃、破壊といった思想を大きな特徴とする。ダダイズムに属する芸術家たちをダダイストとよぶ。
ダダイズムは第一次世界大戦中にチューリッヒで始まり、国際的な現象となる。機械や科学技術、キュビズムの影響を強く受けているのが特徴であった。
ダダ派の芸術家はパリ、ベルリン、ケルン及びニューヨークでも同様の運動を展開。ドイツではリヒャルト・ヒュルゼンベックがベルリン・ダダを旗揚げし、ラウル・グロスマン、ジョン・ハートフィールド、ジョージ・グロス、ジャン・アルプ及びハンナ・ヘッヒらが集った。グロスは特に、ワイマール共和国時代はベルリン・ダダと新即物主義派の中心的メンバーの一人であった。
グロスの日本への影響
第一次世界大戦後のドイツの世相を痛烈に風刺した画家であるグロスが日本に始めて紹介されたのは1920年代の初頭である。ミュンヘンやベルリンが芸術都市として知られるようになったこの頃に、ようやくドイツの現代美術も注目されるようになった。そして表現主義やベルリン・ダダ、構成主義、新即物主義などが相次いで日本に紹介されることになった。
グロスの作品は日本の前衛美術家たちに大きな衝撃を与え、大いに賞賛された。
ドイツ表現主義は、ドイツにおいて第一次世界大戦前に始まり1920年代に最盛となった芸術運動で、客観的表現を排して内面の主観的な表現に主眼をおくことを特徴としたものである。建築、舞踊、絵画、彫刻、映画、音楽など各分野で流行し、「黄金の20年代」と呼ばれたベルリンを中心に花開いた。日本を含む世界各地の前衛芸術に影響を与え、現代芸術の先駆となった。当時の反響は非常に大きく、熱を帯びたものであった。
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