作品概要

キリストの磔刑》は、画家のフランシスコ・デ・ゴヤによって描かれた作品。制作年は1780年から1780年で、プラド美術館に所蔵されている。

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『キリストの磔刑』(スペイン名:Cristo crucificado)は1780年にスペインの画家フランシスコ・デ・ゴヤが十字架上のキリストを題材として描いた絵画である。この作品は王立サン・フェルナンド美術アカデミーの入会審査作品として提出され、現在はプラド美術館に所蔵されている。

この絵画は新古典主義の手法で描かれている。だが、ゴヤは同時にスペインの伝統的な主題の表現形式も用いており、同じテーマで絵画を制作したベラスケスとアントン・ラファエル・メングスの手法とも関連した点が見られる(ベラスケスの絵画からは黒く塗りつぶした背景を、メングスからは前方に突き出たキリストの足の表現を借用している)。スペインのバロック美術における従来の表現形式を守った画家の意図は、メングスの新古典主義を信奉するアカデミー会員たちが気に入る絵画を制作することにあった。

ゴヤは、この作品によってアカデミー会員たちに自らの画家としての腕を示そうともしていた。最も困難な分野である解剖学に対する知識を人体のヌード画を提出することで披露したのである(裸体を描くことは、スペインの伝統にかなう宗教的な要素を絵画にとりいれることで正当化された)。この絵において、ゴヤはスフマート技法における立体感の出し方や光の描写といった困難な問題を見事に解決している。前方に突き出た右足、わずかに傾いた腰と首をかしげた様子は作品にダイナミックな効果を生みだしており、これは画面の堅苦しさを避けるために当時要求されていたものであった。

同時代の人びとには絶賛された本作品も、20世紀には時代遅れとなった。批評家たちがゴヤを宗教画やアカデミック美術に冷淡な態度をとり、信仰心の薄いロマン主義の画家としてみなすことを好んだ時期である。しかしながら、ポストモダニズムの潮流はゴヤと『キリストの磔刑』を全体的かつ多面的に見直し、彼が画家としての名声を得るために奮闘していた時期に制作されたものが本作であるという評価を加えた。

基本情報・編集情報

  • 画家フランシスコ・デ・ゴヤ
  • 作品名キリストの磔刑
  • 制作年1780年-1780年
  • 製作国不明
  • 所蔵プラド美術館
  • 種類油絵
  • 高さ255cm
  • 横幅153cm
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