作品概要

ベルリンの通り》は、画家のジョージ・グロスによって制作された作品。制作年は1931年から1931年で、メトロポリタン美術館に所蔵されている。

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《ベルリンの通り》はドイツの画家ジョージ・グロスによって1931年に制作された油彩画である。メトロポリタン美術館に所蔵されている。

アメリカへの亡命

ドイツ古典主義の美術を模範とするナチス・ドイツ時代には、グロスが属する新即物主義は「退廃芸術」の一つと規定され、激しい弾圧を受けた。
1932年、グロスはニューヨークの美術学校(美術学生連合)に招かれて渡米する。その後1933年、ナチスの弾圧を避けて米国に亡命することを決める。 米国に同化しようとする努力の中で社会諷刺の筆が鋭さを失い、作風が大きく変貌することになる。亡命後の作品はより感傷的な様相を帯びたものとなり、この変化は才能の衰えとみなされ、彼の後期作品はベルリン時代ほどの成功を博すことはできなかった。

グロスの日本への影響

第一次世界大戦後のドイツの世相を痛烈に風刺した画家であるグロスが日本に始めて紹介されたのは1920年代の初頭である。ミュンヘンやベルリンが芸術都市として知られるようになったこの頃に、ようやくドイツの現代美術も注目されるようになった。そして表現主義やベルリン・ダダ、構成主義、新即物主義などが相次いで日本に紹介されることになった。

グロスの作品は日本の前衛美術家たちに大きな衝撃を与え、大いに賞賛された。

ドイツ表現主義は、ドイツにおいて第一次世界大戦前に始まり1920年代に最盛となった芸術運動で、客観的表現を排して内面の主観的な表現に主眼をおくことを特徴としたものである。建築、舞踊、絵画、彫刻、映画、音楽など各分野で流行し、「黄金の20年代」と呼ばれたベルリンを中心に花開いた。日本を含む世界各地の前衛芸術に影響を与え、現代芸術の先駆となった。当時の反響は非常に大きく、熱を帯びたものであった。

資本主義の頽廃

本作《ベルリンの通り》では、グロスは、貪欲、残忍性や猟奇趣味的な欲望により彩られた忌まわしい場所としてのベルリンにおける都市住人を表している。ベルリンの通りを放浪している第一次世界大戦の多くの復員軍人のうちの1人である乞食が、画面左下に描かれていて、右側の女性は、派手な服装や粗雑な化粧から売春婦であることが示唆される。灰色、茶色や黒の暗い色彩が、都市生活の汚れをさらに強調している。ゆがめられた、生気のない自動装置のような図案が、資本主義の頽廃への奴隷として描かれている。

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基本情報・編集情報

  • 画家ジョージ・グロス
  • 作品名ベルリンの通り
  • 英語名Berlin Street
  • 分類絵画
  • 制作年1931年 - 1931年
  • 製作国ドイツ
  • 所蔵メトロポリタン美術館 (アメリカ)
  • 種類油彩
  • 高さ81.3cm
  • 横幅60cm
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