作品概要
《赤い帽子の自画像》は、画家のレオノール・フィニによって制作された作品。制作年は1968年から1968年。

性的な探求
長いキャリアを通して、絶望の痛みと悟りの静けさとの間で描かれたレオノール・フィニの作品は、上品さとエロティシズムという両極端の性質を持っている。情熱、自由、性的な探求に駆られた彼女は、間違いなく最も反抗的、演劇的かつ自律的な女性シュルレアリストであった。
背が高く、猫のような目を持つ彼女の特徴的な容姿は、多くの点で人間よりも動物的な性質を持っていた。動物と人間のハイブリッドというモチーフへの芸術的な興味のもと、彼女は猫の形質転換と変態の具体化として存在し、スフィンクスの姿で自分自身を認識するようになった。ギリシャの伝統の中では凶悪であり、エジプトの物語では慈悲深いというこの神話上の生き物は、その策略と混合とう性質への、フィニ自身の愛の象徴として描かれている。
明るい自画像
フィニが61歳のときに描かれたこの作品は、初期に描かれた情熱的な自画像と比較すると、新鮮でシンプルである。描かれたフィニは、物思いにふけっており、断固とした意志を持ち、独立し、若々しさを保っている。
1960年代以降、フィニは官能的な作品を制作し続けたが、そこには軽い遊び心があった。フィニの使う色調は明るくなり、豊かな花が規則的に現れ始めた。フィニは、「想像力は、その道をたどるイメージから力を得ている」とし、彼女の絵は自身の想像力がとらえた場所のイメージを閉じ込めたものであると語った。 晩年期のフィニは、パフォーマンスや工夫から離れ、自然や成長へと向かっている。
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