作品概要
《黒い卵の守護者》は、画家のレオノール・フィニによって制作された作品。制作年は1955年から1955年。

女性の神秘の力
この作品は、黄色いドレスに水色のマントを羽織った女性を描いている。彼女は広大な砂漠の真ん中に座っており、その膝の上には輝く黒い卵を優雅に置いている。女性がこの卵の番人であることをタイトルが示唆しているように、彼女は卵の守護者である。他のフィニの作品に描かれる卵が割れているが、ここでは色調が全く異なっており、無傷である。
この絵は、1947年にレオノーラ・キャリントンによって描かれた《女巨人(卵の守護者)》と主題を共有している。当時、すでにキャリントンとは連絡を取っておらず、ヴァロとも知り合いでなかったにもかかわらず、フィニは、自身もまた神や神秘的な女性の力の概念に関心を寄せていたということを、本作で明らかにした。
古代や儀式への興味
フィニの作品は、夢のような品質を持っている。彼女は無意識や空想だけでなく、現実と超現実の組み合わせに対しても関心を寄せていた。彼女が描いている荒廃した「時代を超越した」風景は、サルバドール・ダリ、イヴ・タンギーとケイ・セージが描いたものを深く想起させる。さらに、本作の地面には亀裂が入っているが、これはフリーダ・カーロの《折れた背骨》(1944年)や《希望の木》(1946年)の風景と共通している。
この広大で荒涼とした大地の中央に座る女性は、細身の体型で、首も長く細く、肌色の帽子をかぶっている。これは宗教的なだけでなく、不老の性質をも表している。全体としてこの絵画は、画家がキャリントンやバロと共有していた、儀式や古代のシステム、先祖の力に対する興味を示している。
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