作品概要

アトロポス》は、画家のフランシスコ・デ・ゴヤによって描かれた作品。制作年は1819年から1823年で、プラド美術館に所蔵されている。

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『アトロポス』または『運命』(スペイン名:Átropos or Las Parcas)は現存する14個の『黒い絵』シリーズのうちの1つであり、1819年から1823年の間に製作された。ゴヤはその時75歳で、肉体的にも精神的にも絶望的な中、1819年に購入した「キンタ・デル・ソルド(聾者の家)」の室内の壁に、直接シリーズ作品を描いたという。

その家の2階は恐らくこの作品と、その隣に置かれた『こん棒での決闘』、そして向かいに置かれた『アスモデア』で埋まっていただろう。他の『黒い絵』同様、プラド美術館のキュレーターであるサルヴァドール・マルティネゼ・キュベルスの監督の下、1873年から1874年にかけて、カンヴァスに移された。オーナーのバロン・エミール・デランジェは、そのカンヴァスを1881年にスペインへ寄贈し、現在はプラド美術館に展示されている。  
                                    
この作品は運命の女神の神話の主題、たとえばモイライや、またはホメーロスやヘーシオドス、ウェリギリウス、そして他の古典文学者によって語られた運命を、再解釈したものである。命の糸を断ち切る鋏を持つアトロポスは、糸巻き棒を持ったクロト(ゴヤは糸巻き棒を人形や新生児に置き換えて描く。恐らく命の寓喩を意図している)と、レンズまたは鏡を見ているラケシス(時間を象徴する糸の長さを測る女神)を率いているのである。                         

3人の女たちが空中を浮遊している中、4人目の人物は前面に加えられている。恐らく男であるが、この人物の手は捕虜のように後ろ手で繋がれている。もしこの再解釈が真実であれば、両手が繋がれた男は定められた運命には抗えないことになる。この男は、オリンポス山で火を盗んだことによる罪でそのまま拘束され、罰として鷲からひどく痛めつけられたプロメテウスを表しているのだろうと推測されてきた。さらに言えば、4人の人物は恐ろしいほど醜く描かれている。          

この作品で使用されている色の幅は狭く、他の『黒い絵』と同等か、またはそれ以上の、オーカーと黒までである。これにより夜行性と非現実的な雰囲気を作り出し、神話の主題に適した作品となっている。このゴヤの『黒い絵』シリーズに対する恣意的で不合理な見方は、モダンアートのそれの前兆となった。

基本情報・編集情報

  • 画家フランシスコ・デ・ゴヤ
  • 作品名アトロポス
  • 制作年1819年-1823年
  • 製作国不明
  • 所蔵プラド美術館
  • 種類油絵
  • 高さ123cm
  • 横幅266cm
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