世界の終わり

《世界の終わり》は、アルゼンチンの画家レオノール・フィニによって1949年に制作された油彩画である。

情熱と性の探求

長いキャリアを通して、絶望の痛みと悟りの静けさとの間で描かれたレオノール・フィニの作品は、上品さとエロティシズムという両極端の性質を持っている。情熱、自由、性的な探求に駆られた彼女は、間違いなく最も反抗的、演劇的かつ自律的な女性シュルレアリストであった。

混乱、破壊、死

この作品のタイトルと画面そのものは、どちらも終末論的な色調を帯びている。彼女はこの時期、自身の生殖能力の喪失との関係において個人的な闘争を続けていた。骨や腐った植物などが画家を取り囲んでいる点において、この作品《小さな隠者のスフィンクス》から続く連画ともいえるだろう。湿地の黒い海に身体を半分沈めているフィニは、混乱、破壊、そして死に囲まれている。赤で描かれた猛烈な背景がある一方で、彼女の周囲にある死体の一部は、生あるものが存在しないことをほのめかしている。

死と再生

悲観的であるにもかかわらず、これは二人の人物の肖像画であるといえる。画家の胸像は水面の上だけでなく下にも描かれているため、死と再生という組み合わせを扱っていることが示唆されている。繰り返し描かれている目のモチーフは、画家が激しい内省の期間を経験していることを示している。一方で、胴体はマネキンのように生気がなく、それが殻以上のものではないという画家自身の考えを示している。