作品概要

不在の淑女》は、画家のイヴ・タンギーによって制作された作品。制作年は1942年から1942年で、ノルトライン=ヴェストファーレン州立美術館に所蔵されている。

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《不在の淑女》はフランスの画家イヴ・タンギーによって1942年に制作された油彩画である。ノルトライン=ヴェストファーレン州立美術館に所蔵されている。

アメリカ時代

第二次世界大戦(1939年から1945年までの6年間にわたる)の勃発にともない、タンギーは、彫刻家のハインツ・ヘンゲスの紹介で知り合った画家ケイ・セージの尽力によって、他のシュルレアリスト達と共にアメリカに亡命する。セージとは後に再婚することとなる。2人はアメリカ西部を旅行し、1940年8月17日に、ネヴァダ州のリノで正式に結婚した。1941年にはセージと共にグリニッジ・ヴィレッジからコネチカット州ウッドベリーに移り住んだ。1946年からは「タウン・ファーム」と名付けられた家に住んだ。タンギーの作風はセージに影響をあたえている。

物体の巨大化

アメリカ亡命後の1940年代の作品では、色彩が一層明るく鮮やかになり、また画面空間に対して不定形の物体群が占める割合がしばしば大きくなり、結果として物体群の巨大化あるいは空間の巨大化といった印象をもたらすものとなっている。1940年代の半ばから、さらに増殖と細分化の兆しが見られはじめ、その後巨大化、複雑化、増殖化、細分化は極限まで進むことになる。

タンギーの作品変遷における連続性、一貫性、自律性は単調さとみなされがちだが、こうした点もまたタンギーのイメージの特性として位置付けることができる。タンギーの作品変遷における連続性、一貫性、自律性は、個々のイメージの意味を希薄化させる作用をもたらす。

本作《不在の淑女》は、鮮やかな黄色い画面が目を引く。物体のフォルムは明確である。そして、1930年代の作品に比して物体群は巨大化している印象を受ける。
暗い色彩の中にも画面左側には、カラフルな塔のようなものが確認できる。地面に投影されたシルエット、やや巨大化したオブジェ群などはデ・キリコを思い起こさせる作品となっている。デ・キリコのイメージに出会い画家となったタンギーは、デ・キリコの謎を純粋な形で自己増殖させ、イメージの領域を極限化させた。

多くの場合、夢の状態を喚起するような不可解なタイトルは、より深い意味あるいは作品における真実を探求させるようにシュルレアリスト達によって用いられていた。しかしながら、タイトルはランダムに選ばれたものではなく、整合性が見出されるものであると、後年の研究で明らかになっている。

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基本情報・編集情報

  • 画家イヴ・タンギー
  • 作品名不在の淑女
  • 英語名Absent Lady
  • 分類絵画
  • 制作年1942年 - 1942年
  • 製作国アメリカ
  • 所蔵ノルトライン=ヴェストファーレン州立美術館 (ドイツ)
  • 種類油彩
  • 高さ115cm
  • 横幅89.5cm
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