作品概要

聾者の耳》は、画家のイヴ・タンギーによって制作された作品。制作年は1938年から1938年で、東京国立近代美術館に所蔵されている。

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《聾者の耳》はフランスの画家イヴ・タンギーによって1938年に制作された油彩画である。東京国立近代美術館に所蔵されている。

イメージ基本構造の確立

1920年代後半に、タンギーのイメージの基本構造が確立し、以後タンギーは、茫漠とした空間に蠢く不定形の物体群をひたすら描きつづけることになる。

試行錯誤を経て、タンギーの作品は1930年代に入り技術的な洗練を示す。1920年代の多くの作品では、空間や色彩は薄暗く、不定形物体群のフォルムもしばしば曖昧だった。これに対して、アフリカ旅行後の1930年代の作品では、空間は透き通り、色彩は明るくなり、物体群のフォルムも明確で硬質なものに変化している。

空間的パラドックス

本作《聾者の耳》では、浜辺の夕景を思わせる明るく淡い色彩に支配されている。画面左側に密集して存在する耳のようなカラフルな物体群のフォルムは明確であり、地面に投影されたシルエットなどはデ・キリコを思い起こさせる作品となっている。

デ・キリコにインスピレーションを受けたというだけあって、本作《聾者の耳》でも屹立する物体が地面に落とすくっきりしたシルエットなど、非具象派主義のシュルレアリスムの固有のスタイルを有している。

本作《聾者の耳》の空間的パラドックスは、表面上における色の連続的なグラデーションにより達成した空と地面の合併的な描写に依存するものである。他の作品群と同様に、ここには地平線は描かれていない。空のような不思議な空間にまばらな不定形の物体群が浮遊しているのが確認できる。

プラスチック的な固形性が添えられた幾何学的な精度や、綿密で細かい技術により、タンギーの世界の詩的な不思議さが高められている作品である。

タンギーの性格

イヴ・タンギーは几帳面な性格の芸術家であったといわれている。無口で、自分について、そして作品についてもほとんど語ることはなかった。しかしながら、タンギーの作品は、現実の海だけではなく、彼の夢の世界そのものをも語りかけてくれるものとなっている。

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基本情報・編集情報

  • 画家イヴ・タンギー
  • 作品名聾者の耳
  • 英語名The Ears of a Deaf
  • 分類絵画
  • 制作年1938年 - 1938年
  • 製作国フランス
  • 所蔵東京国立近代美術館 (日本)
  • 種類油彩
  • 高さ46cm
  • 横幅55cm
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