作品概要

岬の城》は、画家のイヴ・タンギーによって制作された作品。制作年は1931年から1931年で、ソロモン・R・グッゲンハイム美術館に所蔵されている。

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《岬の城》はフランスの画家イヴ・タンギーによって1931年に制作された油彩画である。ソロモン・R・グッゲンハイム美術館に所蔵されている。

技術的な洗練

1920年代後半に、タンギーのイメージの基本構造が確立し、以後タンギーは、茫漠とした空間に蠢く不定形の物体群をひたすら描きつづけることになる。1928年、タンギーは、シュルレアリスト達の集会場となっていたシャトー通りでの共同生活を終え、前年に結婚したジャネットと暮らしはじめた。1930年には夫婦で北アフリカを旅行している。タンギーは制作に際して事前の計画や下書きは行わないが、この旅行後の幾つかの作品では例外的に下書きを行っている。これらの作品の特徴は、不定形物体群が隆起する地面としばしば一体化している点にある。

こうした試行錯誤を経て、タンギーの作品は1930年代に入り技術的な洗練を示す。1920年代の多くの作品では、空間や色彩は薄暗く、不定形物体群のフォルムもしばしば曖昧だった。これに対して、1930年代の作品では、空間は透き通り、色彩は明るくなり、物体群のフォルムも明確で硬質なものに変化している。

アフリカ旅行後

アフリカ旅行後、タンギーは、溶融し流れるような形状の風景画を制作した。その最も著明なものが本作《岬の城》である。

堅固な多層の塊が、幅広い平坦な地面を支配している。この波形の台地や孤立した山がしっかりとそびえ、手前側に、粘着性の物体が持続的に広がっている。風景に宿る小さい不定形物体は、様々な変形段階にあるようである;あるものは、溶けるあるいは漏れ出す、またあるものは、圧壊あるいは縮小するようであり、また白い液体やガスを分泌しているものもある。

これらの形状は、当惑するほど擬人化されている。球形の物体は、崖の端に向かって岬の傾斜の方へ進んでいて、そこで絶壁の上で溶解しはじめ、下の浮遊する物体と一体になる。五本指の膨らんだ白い塊が、まるで水上にあるかのように滑るように動いている。奥の方では蒸気も出現している。最も高い突出部または城の上では、不思議な火花が放射している。画面右側では、毛のように細長い幻影は、空の薄い空気に溶け込んでいる。

自然界では、このような地質学的変形は、酷暑や火山の活動を必要とするものであるが、タンギーの青色、薄緑色や黄色でアクセントをつけられた抑制された灰色や、暗いピンクのために、熱や地球の存在は否定されている。代わりに、タンギーは本作《岬の城》においてシュルレアリスト的な地形を作成している。

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基本情報・編集情報

  • 画家イヴ・タンギー
  • 作品名岬の城
  • 英語名Promontory Palace
  • 分類絵画
  • 制作年1931年 - 1931年
  • 製作国フランス
  • 所蔵ソロモン・R・グッゲンハイム美術館 (アメリカ)
  • 種類油彩
  • 高さ73cm
  • 横幅60cm
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