作品概要

失われた鐘》は、画家のイヴ・タンギーによって制作された作品。制作年は1929年から1929年で、豊田市美術館に所蔵されている。

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《失われた鐘》はフランスの画家イヴ・タンギーによって1929年に制作された油彩画である。豊田市美術館に所蔵されている。

浮遊する物体

本作《失われた鐘》が描かれた1920年代の間は、不定形物体群はアメーバや、海洋生物、エクトプラズムのような形態を示し、数もまばらであった。その後は次第に確固としたフォルムを備えはじめ、画面に比して巨大化しつつ、より複雑な形態を取り、硬質な無機物あるいは機械を思わせるものとなる。後年、さらに増殖と細分化の兆しが見られはじめ、巨大化、複雑化、増殖化、細分化は極限まで進むことになる。

タンギーのイメージとエクトプラズムの関係について踏み込んだ研究・考察は行われてはいないが、エクトプラズムのような物体がこの時期のタンギー作品には頻出している。

本作《失われた鐘》には、数は少ないながらも、画面中央の上部と左下部には画面に比して大きいエクトプラズムのような物体が確認できる。

エクトプラズムの流行

エクトプラズムという語を発明したのは、1913年にノーベル生理学・医学賞を受賞したシャルル・ロベール・リシェだが、現象自体は19世紀、心霊主義流行の初期から知られていた。心霊学では物質化現象と呼ばれることが多く、テレプラズム、イデオプラズムなどとも呼ばれる。エクトプラズム研究がさかんに行われたのは第一次世界大戦前後であり、実験記録として多くのエクトプラズム写真が撮られ、研究書にまとめられ出版された。

不定形物体とエクトプラズムの関係

タンギーの不定形物体とエクトプラズムの関係は、単純な視覚的類似だけではなく、両者の間にはさらにイメージとしても性質的類似が見出される。
エクトプラズムはその実在性を強調しつつも実在としてだけではなく、ただイメージとして残存する。そしてその真実性は他の何かとの同一化を避けることで逆説的に保たれようとするのである。こうした性質はタンギーのイメージと共通するものである。

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基本情報・編集情報

  • 画家イヴ・タンギー
  • 作品名失われた鐘
  • 英語名The Lost Bells
  • 分類絵画
  • 制作年1929年 - 1929年
  • 製作国フランス
  • 所蔵豊田市美術館 (日本)
  • 種類油彩
  • 高さ64.2cm
  • 横幅53.2cm
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