作品概要

影の土地》は、画家のイヴ・タンギーによって制作された作品。制作年は1927年から1927年で、デトロイト美術館に所蔵されている。

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《影の土地》はフランスの画家イヴ・タンギーによって1927年に制作された油彩画である。デトロイト美術館に所蔵されている。

デペイズマン的記号併置

1924年、タンギーはシュルレアリスト達と接触し、グループの一員となった。その参加直後のタンギーのイメージはデペイズマン的記号併置の手法に拠るものであった。デペイズマンとは、「人を異なった生活環境に置くこと」、転じて「居心地の悪さ、違和感、生活環境の変化、気分転換」を意味するフランス語であり、美術用語としては、あるものを本来あるコンテクストから別の場所へ移し、異和を生じさせるシュルレアリスムの方法概念を指すものである。この時期のタンギーにとっては、周囲の画家からモチーフを借用してデペイズマン的記号併置の実験を行うことがシュルレアリスム風のイメージを試みる1つの手段だったとみられる。

シュルレアリスムにおける最重要概念

タンギーの描く不定形物体群は明確な指示対象を持たないため、記号間の「ズレ」、つまりそれらがどれだけ隔たっているかが認識されえないものである。不定形物体群によるイメージは、制作手法という点ではオートマティスムの概念によって捉えることができる。オートマティスムはシュルレアリスムにおける最重要概念の1つであり、ブルトンによる「シュルレアリスム宣言」における定義がこのことを示している。

オートマティスムの痕跡

本作《影の土地》では、画面中央右寄りに幾つかの絵具の跡がある。この塊に幾らか量感を付けていくことで、例えば画面下にあるような地面の隆起ができあがる。そして、この隆起を地面から切り離して影を付ければ、その隆起の傍らにあるような不定形の物体ができあがる。タンギーはこうしてオートマティスムを損なわずに、同時に、単なる色や線といった抽象的要素のみに留まることもないイメージを創出する手法を獲得した。これはオートマティスムの痕跡が三次元に変換されることで可能になったのである。
本作《影の土地》はその1つの好例である。

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基本情報・編集情報

  • 画家イヴ・タンギー
  • 作品名影の土地
  • 英語名Shadow Country
  • 分類絵画
  • 制作年1927年 - 1927年
  • 製作国フランス
  • 所蔵デトロイト美術館 (アメリカ)
  • 種類油彩
  • 高さ99.1cm
  • 横幅80.3cm
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