作品概要

エチエンヌ=ルシアン・マルタンの肖像》は、画家のフィンセント・ファン・ゴッホによって描かれた作品。制作年は1886年から1887年で、ヴァン・ゴッホ美術館, アムステルダムに所蔵されている。

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本作のモデルであるエチエンヌ=ルシアン・マルタンはパリのクリシーにある通りのダンスホールを改装して作った大衆レストラン・シャレの主人であり、ゴッホはそこの常連客であった。1887年11月、マルタンはゴッホに、彼と画家仲間が制作した作品の展覧会を店で開くことを承諾した。この時参加したのは、エミール・ベルナール、ルイ・アンクタン、トゥールーズ=ロートレック、A.H.コーニングらである。彼らはモネやルノワールといった「グラン・プールヴァール(大通り)」にて展示を開く画家たちに対して、自分たちを「プチ・ブールヴァ―ル(裏通り)」と称していた。

ゴッホはパトロンとなってくれた彼を、シンプルなジャケットとそれに合わせた帽子を身に付けた仕事着姿で、繊細な筆致で丁寧に描いた。当初ゴッホは、完成時よりもっと鮮やかな色を背景と衣服の部分に用いていたが、その後で方針を変更し、より抑えた色調で描いた。コチニール赤は時間の経過とともに色味が衰退し、意図しないうちにゴッホの想定よりもいくぶん柔和な画面となった。

ゴッホは本作をおそらく主人への謝意を込めて制作したはずであるが、本人に譲渡しようとしなかった。展覧会が始まってすぐ、陽気だけれども気が短い気質であった主人とゴッホは口論になった。マルタンは、本作はお客が食事中に見えるように店に飾りたい旨を主張した。そして、展覧会は突如として打ち切りになってしまったのである。

基本情報・編集情報

  • 画家フィンセント・ファン・ゴッホ
  • 作品名エチエンヌ=ルシアン・マルタンの肖像
  • 制作年1886年-1887年
  • 製作国不明
  • 所蔵ヴァン・ゴッホ美術館, アムステルダム
  • 種類キャンバスに油彩
  • 高さ65.5cm
  • 横幅54.5cm
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