作品概要
《郵便配達ジョセフルーラン》は、画家のフィンセント・ファン・ゴッホによって制作された作品。制作年は1888年から1888年で、ミュージアムオブモダンアートに所蔵されている。

「郵便配達人ジョゼフ・ルーラン」は、ゴッホの1888年アルル時代の作品である。81センチ×65.4センチの同作品は近隣に住むルーラン家の人々を描いた一連の肖像画の一つであり、モデルのジョゼフはルーラン家の当主でゴッホの飲み友達であった。ゴッホはジョゼフ・ルーランをソクラテスにたとえ、魂の清らかで、賢く、感情が豊かであり、また信頼のできる人間と称えている。ルーラン家の人々はゴッホのアルル時代での充実した時期も悩み苦しんだ時期も、ゴッホに寄り添って支えてきた人達だったとされる。
ゴッホは風景画家として知られていたが、肖像画に取り組むことに野心を燃やしていた。彼は肖像画制作にあたり、「魂のより深い部分に刺激を与え、なによりも創造主を肌に感じさせる」と語っている。また、「音楽のような心地よい何かが近づいている。わたしは天使の輪が象徴するような永遠な何物かを感じるように人々を描きたいのだ。それは、色彩の持つ輝きや響きにより伝えられるものであろう」とも語っている。
ゴッホは肖像画を描くことに情熱を捧げたが、モデルを常々雇う経済的なゆとりはなかった。ローリン家の人々とは、モデルになってもらう代償として作品を家族のそれぞれに贈っていた。ローリン家はゴッホ自身の家族と構成が似ており、ローリン家を自分の家族として慕っていたのではないかとの見方もある。現在、ミュジアムオブモダンアート所蔵。
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