作品概要
《劇場にて〜桟敷席》は、画家のピエール=オーギュスト・ルノワールによって制作された作品。制作年は1874年から1874年で、コートルードギャラリーに所蔵されている。

1874年のルノワールによる作品『劇場にて〜桟敷席』は印象派絵画の名作であり、ロンドンにあるコートルードギャラリーのコレクションの中で最も有名な作品のひとつである。
印象派の関心のひとつは人々のモダンな生活を描くことであるが、劇場の桟敷席にいる優美なカップルのモチーフはその典型であろう。『劇場にて〜桟敷席』は1874年の第一回印象派展にルノワールが出品した作品の中でも目玉の作品であった。その複雑な主題と巧みな技術により、ルノワールはフランスにおける革新的な芸術運動である印象派のリーダーとしての評判を築いた。
画中のカップルのモデルはルノワールの弟エドモンと、モンマルトル出身で「魚のように無表情」なモデルとして知られたニニ・ロペスである。この作品の中心テーマは桟敷席に座るこの2人の視線から読み取ることができる。優美なドレスの女性はオペラグラスを下ろし、彼女のファンに自身の姿を見せている。一方で、連れの男性は全く別の観客席のどこかを熱心に見つめている。ルノワールは演劇そのものを描くのではなく、劇場を人々の地位や関係性があらわになる社交のステージとして表現した。
コートルードギャラリーには『劇場にて〜桟敷席』の小作品版も収蔵されている。この小作品は1874年の第一回印象派展の成功を受けてルノワールが制作したものと言われており、近年ロンドンのオークションでコートルードギャラリーが購入したものである。この作品の価格はオークションの予想の2倍にもなり評判となった。
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